生命保険は、ライフステージごとに見直しが必要です。
見直しとは、ただ解約をして保険料を減らすことではありません。
必要な保障を見直して、保障内容の断捨離をすることなのです。
今回は、見直し時に保険会社の営業担当からよく言われる一言に惑わされず、上手に見直すコツについてお話しします。
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高い保険料が苦しくなって保険を見直すなら「解約」も検討

大きく保険を見直すポイントは、結婚時と子どもが生まれた時ではないでしょうか。
独身時代は、収入のすべてを自分のために使うことができたため、保険料が負担に感じられることもありません。
しかし、結婚すると生活費が増えるため、収入が変わらない状態では保険料が負担になるかもしれません。
さらに子どもが生まれれば、出費だけでなく責任も大きくなります。
独身時代の保険では、保障が不十分になるでしょう。
保険の見直しというと、保険料を減らすことが目的だと思われがちです。
しかし、見直しの本当の目的は保障内容の見直しであって、保険料の見直しは二番目の目的になります。
そうはいっても、保険料が生活を圧迫するようになっては問題です。
高い保険料が負担になったら、保険のすべてを見直してみましょう。
独身時代から保険に加入していた人の中には、入院したときにもらえる医療保険など、ちょっとしたときのことも保険で備えていた人もいるかもしれません。
しかし、ちょっとしたことにかける保険料はもったいないでしょう。
短期間の入院に備えるのならば、保険で備えるよりも貯蓄で備えておいた方がいいかもしれません。
貯蓄は、使う目的が限られていないため、健康で入院することがなければ、そのまま子どもの教育費に使うこともできるのです。
独身時代は「あると便利」という基準で保険を選んでいたかもしれません。
しかし「高い保険料が苦しい」と感じ始めたときには、「あると便利」な保険は思い切って解約し、「必要な保障」が受けられる保険だけを残すという見直しをするといいでしょう。
「解約すると損ですよ」と言われたら!解約して損する保険はこれ!
保険の見直しをしようと保険会社を訪れると、必ず「今解約すると損ですよ」と言われるでしょう。
保険会社にとって「解約」は避けたいことです。
解約されてしまえば、客との関係がなくなり、保険料が入ってこなくなるからです。
「解約するな」と言われると、逆に解約したくなります。
しかし、一概に保険会社の営業担当が言っている言葉が嘘だとは言えないのです。
保険によっては、本当に「解約したら損する」保険もあります。
例えば、バブルの時代に加入した保険は「お宝保険」という別名をもつほど「解約してはいけない保険」と言われています。
なぜならば、バブル時代は今では考えられないほどの高金利で、持っているだけでお金が増えていくという商品なのです。
積立貯金感覚で保険料を頑張って支払い、払い込み終了のときになってから解約すれば、かなりの額に膨れ上がっているはずです。
また、低解約返戻金の保険も解約すると損する保険です。
低解約返戻金の保険は、保険料が安めに設定されています。
安めの保険料をコツコツと積み重ね、払い込み満了時が近づくと、支払った保険料の総額に近づくシステムになっているのです。
解約しても損しない保険とは?
解約しても損しない保険は、掛け捨ての保険です。
掛け捨てとは、支払った保険料が戻ってこない支払い方です。
毎月決まった金額の保険料を支払い続ける間は、保障が受けられるシステムです。
終身保険や養老保険のように貯蓄性がないため、途中で解約しても保障を受ける権利がストップするだけで、お金を損することはありません。
掛け捨ては、解約してもしなくてもお金が戻ってくることはないので、解約しても損するという考えにはならないのです。
また、損得を考えるのなら保障内容についても損得があります。
長年加入してきた保険があるけれど、保障内容を見直してみたら、自分には関係がないことが保障対象だったということもあります。
必要な保障内容は、年齢やライフステージによって変わります。
必要がない保障のために保険料を支払い続けることは、大きな損になります。
見直しをして「解約する」と決めたらどうする方法が一番スムーズに解約できる?
じっくりと保険を見直し「解約しよう」と決めたら、契約している保険会社に解約の申し入れをしなくてはなりません。
知り合いや街中にある保険ショップで契約した場合は、契約した保険ショップを通じて解約することもできます。
ただ注意しなければならないことがあります。
保険ショップは、同じ名前の会社であっても同じ系列であるということはありません。
フランチャイズ方式で経営していることが多く、同じ名前でも横のつながりがないことも珍しいことではないのです。
引越しをして、契約をした保険ショップが遠くなってしまった場合は、つながりのある保険ショップを紹介してもらうか、保険会社に直接連絡をして解約するようにしましょう。
保険会社に直接連絡をして解約するならば、わりとスムーズに解約に応じてくれることが多いのですが、個別の営業担当と契約を結んだ場合は、すぐに解約できないこともあります。
保険の営業担当にとって、解約は自分の営業成績にマイナス点をつけてしまう出来事になることもあります。
そのため、営業担当はなんとかして解約しないようにひきとめてくることもあるのです。
「この保険は解約する」と決めたら、余計な同情心が出ないようにするためにも、保険会社に直接解約を申し入れたほうがいいのかもしれません。
保険の見直しは、解約や保険料の減額をやればいいというものではありません。
結果的に、加入している保険が変わらなくても、見直すということで自分が加入している保険の保障内容を思い出すことができるのです